今回は、シーリングの事に重点を置きお話ししようと思います。

タイル調のサイディング 最近よくあるやつです。

初回(10年目程度)塗替えの際は、クリアー塗装を選択する方がほとんど

この場合の、塗替えの手順などをお話していきます。

 

トーシンの場合、高圧洗浄後に付帯部分の塗装を先行して行います。

破風板部分のジョイントシール

汚してはいけない 外壁部分を養生してから 軒天井の塗装

そして破風板も塗装

それから 壁面塗装に入ります

各所 クリアー塗装を施して

やっと シーリング工事の始まりです

目地のシーリングとなりますが

「左上」 撤去後 ボンドブレーカー設置 「右上」 プライマー塗布

「左下」 シーリング材打込み  「右下」 へら押え

目地内部に見える 黄色いテープがボンドブレーカーとなり

3面接着を防ぐ為の物です

これを行わないと、目地の廻りのサイディングがひび割れを起こしますので

見積書を確認する際は 「目地」部分への ボンドブレーカー設置 との記載があるかを確認しましょう。

 

続いて サッシ廻り

サッシ廻りも同様に

左上から 撤去→プライマー塗布↙シーリング材打込み→へら押え の順となります。

サッシ廻りシーリングに関しては 最近よく聞くのが

「撤去をすると カッターで防水紙を切ってしまい 雨漏りの原因になるので 打ち増しの方が良いです!」

これは 実は大嘘で

しかもこれを言い出したのは「シーリング工」の人たち

一見プロと呼ばれる職人にそう言われると 営業マンが鵜呑みにして

それを施主様へ伝えていきます。

図や画像がないので、一般の方への説明は難しいですが

アルミサッシの内部には40㎜前後の 羽のような金物部分があり

その金物を 木造の柱へ釘やビスで固定します。

サッシ廻りのシーリングは せいぜい10㎜程度ですので

どんなに深くカッターの刃を入れても 金物に当たるだけで

その表面に防水紙があったとしても 防水紙の余剰部分ですから

多少切れたところで 問題はないです。

毎回撤去していますが ハッキリ言って

キチンと胴縁施工をしてあるサイディング住宅であれば

カッターがサッシ廻りの防水紙に届くこともありません

下手な素人職人が無理くり突っ込まない限りは…

 

ではなんで職人たちがそんなことを言うのか?という話ですが

まず最初に 木造用のサッシが シーリング撤去にとても不向きな形状である事

職人たちは RC造(鉄筋コンクリート)や鉄骨造も施工してますから

それと比べて すこぶる「やりにくい」事を実感しています。

すると 出来る事なら撤去をしたくないので どうにかやらないで良い方法を探しました。

そこから生まれた発想が 「防水紙が切れちゃう~ 雨漏りが~ 云々」という事です。

きっとサッシ交換や 外壁を剥がしてみたことが無いのでしょう。

適当なことを言ってみたら 無知な営業及び担当者が納得してくれたので

これは良い!と 各地へ広まっていったのではないか?と思っています。

 

これも見積りのチェックに役立ちますね

サッシ廻りシーリングが 撤去・打替えなのか? 打ち増しなのか?

 

さて、少々長くなりましたが

なんで塗装後にシーリングを打ち替えてるの?と思った方もいるかもしれません。

下地がサイディングでも カラーコート(塗りつぶし)の場合は

シーリング後の塗装となりますが

クリアー(サイディング用であれタイル面要であれ)は シーリング材の上には塗装出来ません。

付着力は十分あるので、塗装出来ないというよりは

「塗装してはいけない!」 の方が正しい表現でしょう。

 

なぜかというと

クリアー塗装と言われているもののほとんどが 塗膜が固い商品です。

一部例外の商品もありますが これはサイディングには使わないので 今回は割愛します。

固い塗膜を 柔軟性のあるシーリング材の上にとそうすると

なんていう事でしょう 数年でクリアーがひび割れ 黄変しているではありませんか!

特に日当たりの良い 南・西面では 1~2年でひび割れてくると思います。

 

シーリングにも塗れるクリアーを作れば 独占できると思うよ♪

と、メーカーに会うたびに話していますが

現時点の技術では まだまだ難しいようです。

 

先にシーリングを打ち替えて その部分を養生して塗り替える事も可能ではありますが

手間がかかる(時間がかかる)事から クリアー塗装の場合は

先に塗装 そのあとからシーリング がオーソドックスな施工方法です。

 

【オマケ】

軒樋の出隅部分 ひび割れているのが分かりますか?

ここに溜まった雨水が ポタポタ落ちてくる状態でした

施主様に火災保険が下りるかも?と伝え

専用の見積りを作ったところ こんなひび割れ一つでウン十万円 保険が下りたようです。

今回の工事代金の役に立ったと 喜んでおられました。

※加入されている保険の内容により対応は変わってくると思われます。

また、工事を希望していない保険金のみの御見積りには対応しておりません。

 

見積り時の細かいチェックが お客様の役に立ったので(気づいていなかったです)

しっかりした御見積書を作る→お客様が気にしていないところも細かくチェックする

という普段からのスタンスが 功を奏した形ですね。

 

おっと 完成後の画像を忘れていました

 

それでは

 

執筆者紹介

トーシン株式会社
代表取締役
畑農 維人

1級塗装技能士。調布市を中心に外壁塗装や屋根工事だけでなく、防水工事やマンション改修、リフォームも多く手掛け水廻りや電気工事等にも精通。また雨漏りの修理では「漏れ続けていた雨漏りが止まった」というお客様も多く、毎年多くの現場に駆けつけている。

執筆者紹介

トーシン株式会社
代表取締役 畑農 維人

1級塗装技能士。調布市を中心に外壁塗装や屋根工事だけでなく、防水工事やマンション改修、リフォームも多く手掛け水廻りや電気工事等にも精通。また雨漏りの修理では「漏れ続けていた雨漏りが止まった」というお客様も多く、毎年多くの現場に駆けつけている。